暗号資産(仮想通貨)元年と言われる2017年以降、暗号資産は多くの人に知られるようになりました。
億り人という言葉を耳にした方も多いのではないでしょうか。
一方、暗号資産の注目の高まりに伴い、国民生活センターにも暗号資産のトラブルに関する相談が急増したようです。
そこで、この記事では、国民生活センター等の情報を元に暗号資産のよくあるトラブル・相談窓口について、紹介します。
暗号資産のよくあるトラブルとは
国民生活センター等では、暗号資産のよくあるトラブル・相談窓口として、次のような事例を紹介しています。
・SNSで知り合った人の紹介で送金したら、出金できなくなった
・マッチングアプリで知り合った人の紹介で送金したら、突如連絡が取れなくなった
・300万円を得られるが、事前に30万分の暗号資産の購入が必要と言われた
・大学の先輩から暗号資産を紹介されローンを組み購入したところ、お金がなくなっていた
それでは詳しく紹介していきます。
SNSで知り合った人の紹介で送金したら、出金できなくなった
この事例は、詳しくは次のように紹介されています。
SNSで知り合った人に誘われてセミナーに参加したところ「日本円を暗号資産に替えて海外事業者の専用口座に入金すると高い利息が付く」と説明され、40万円を暗号資産に替えて専用口座に送金した。しかし、後日出金しようとしたらできなかった。
この事例は「入金したのに出金できない」という悩みで、多くある相談事例の1つのようです。
残念ながら、SNSやマッチングアプリ等で知り合う相手の中には、暗号資産の詐欺的な投資サイトに誘導することを目的としている人物が、一定数存在する可能性があるようなので、注意したいポイントになります。
マッチングアプリで知り合った人の紹介で送金したら、突如連絡が取れなくなった
この事例は、詳しくは次のように紹介されています。
マッチングアプリで知り合った金融アナリストを名乗る人物から「暗号資産でもうけてみないか」と誘われた。
私の代わりに暗号資産を購入してくれると言い、相手から教えられた個人名の銀行口座に約150万円を振り込んだ。その後、海外にある暗号資産取引所のサイトを紹介され、購入した暗号資産の残高が確認できると言われた。順調に利益が出て残高が増えたので出金手続きをしようとしたら、いきなりサイトが見られなくなってしまった。
お金を取り戻したいがどうしたらよいか。
この事例は「投資先のウェブサイトが閉鎖されたり、アクセスができなくなって出金ができない」という悩みで、よくある相談事例の1つとなっているようです。
こうした事例では、投資サイト等で少額から投資させて、そのサイト上で利益が出ているようすを見せ信用させ、多くの金額を投資させるという誘導手法を使っているようです。仮にウェブサイト上のデータでは利益が出ているように見えても、サイト自体が架空である可能性もあるという点が注意したいポイントとなります。
300万円を得られるが、事前に30万分の暗号資産の購入が必要と言われた
この事例は、詳しくは次のように紹介されています。
マッチングアプリで知り合った人の知人の勧めで、海外のサイトで10万円分の暗号資産を購入したところ、約300万円になっていた。出金しようとしたところ、手数料として30万円が必要と言われた。だまされているのではないか。
こうした「利益を出金するために、さらなる出金手数料を求められている」という相談も非常に多いようです。
SNSやマッチングアプリのみでやり取りしている場合、相手の本人確認が難しく、実在する人物かどうか判断できないことに加え、やり取りがオンラインに限られているため、真相が不透明になってしまうことがあるようです。
大学の先輩から暗号資産を紹介されローンを組み購入したところ、お金がなくなっていた
この事例は、詳しくは次のように紹介されています。
大学の先輩からセミナーに誘われ「海外の事業者に 暗号資産で投資をするとAIが自動運用し、 月々10万円の配当がある。人に紹介するとさらにお金が入る」と説明を受けた。「お金が無い」と言ったら「学生ローンを組めばよい」 とローン会社に連れて行かれた。
その後、さらに100万円を借りて投資したがまったく配当は入らず、「現在出金手続きを停止している」という連絡がきた。投資したお金は 3万円ほどになってしまった。
こうした「ローンを組ませる手法や、AIの自動運用という言葉」という手法も多くある事例の1つのようです。
勧誘の際に「AI(人工知能)」「暗号資産のマイニグ」といった話題性のあるキーワードを使う場合や「借金してもすぐに返済できる」と投資を迫る場合は、注意したいポイントになります。
暗号資産トラブルの相談窓口とは
暗号資産トラブルに関する相談をしたい場合には、まずは、消費者ホットライン「188」に電話して良いと消費者庁では周知しています。消費者ホットラインは「誰もがアクセスしやすい相談窓口」として開設されたものです。
電話が繋がらない時は、国民生活センターの「平日バックアップ相談」も利用できるようです。
また、土日祝日は都道府県等の消費生活センター等が開所していない場合、国民生活センターに電話がつながるようになっているようです。
まとめ
この記事では、国民生活センター等の情報を元に暗号資産のよくあるトラブル・相談窓口について、紹介しました。ぜひ、ご参考にしていただき、暗号資産の本質を正しく理解する一助にしていただければ幸いです。
暗号資産のトラブルを紹介してきましたが、トラブルの要因は暗号資産そのものではなく人側の問題がほとんどです。暗号資産そのものは、送金が早い、世界中で使える、両替が不要等のメリットがあります。こうしたメリットを上手に享受するため、暗号資産を上手に活用したいところです。