近年の為替の変動リスクや為替取引の影響等から、富裕層以外の世代からも海外口座を作りたいという需要が高まりつつあります。
一方「海外銀行口座を作ってみたいけど海外銀行口座の選び方が分からない」という疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、海外銀行口座の選び方について、3つのポイントに絞って紹介します。
海外口座の選び方の3つのポイントとは
海外口座の選び方の3つのポイントとしては、次の3つと言われています。
・最低預金額はどれくらいか
・口座維持手数料(口座開設費)はどれくらいか
・現地とオンラインのどちらで開設するか
それでは詳しく紹介していきます。
最低預金額はどれくらいか
日本の銀行口座にはありませんが、海外の口座には最低預金額というものがあります。
簡単にいうと「常に口座に預金しておかなければならない最低の金額」の事です。
この最低預金額ですが、口座を開設する銀行によってかなり異なります。
例えば、モナコのプライベートバンクの定期預金の場合には10万ドルが必要で、カンボジアのアクレダ銀行の定期預金の場合には500ドルが必要です。
10万ドルを常に口座に入れておける人は少ないのではないかと思いますが、500ドルであれば出来ないことはないという場合も多いのではないでしょうか。このように、最低預金額は海外口座選びの際のポイントの1つになります。
なお、当然ながら、銀行によって受けられるサービスも異なります。受けたいサービスを優先する場合には、その銀行が指定する最低預金額を用意する必要があるという事になります。
つまり「ご自身が用意できる資金、受けたいサービス、最低預金額の3つのバランスを検討し、銀行を選ぶこと」が1つ目のポイントになります。
口座維持手数料(口座開設費)はどれくらいか
口座維持手数料も日本の銀行口座にはない、海外の口座特有の費用です。
例えば、香港のHSBC銀行は、口座残高に応じ、年間の口座維持手数料が定められていました。
維持手数料は口座から自動的に引き落とされるため、受け取る金利よりも維持手数料が多くなる場合には、年々口座残高が減っていくという事態になります。
一方、近年は、口座維持手数料が必ずしも必要ではないケースも増加しています。そうした場合には「口座開設費用」がポイントとなります。口座開設費とは、文字通り、口座を開設する時に必要な費用です。
例えば、モナコのプライベートバンクの定期預金の場合には口座開設費用として1600ドルが必要になり、カンボジアのアクレダ銀行の定期預金の場合には口座開設費用として1100ドルが必要になるといった具合です。
また、口座開設費用を見る場合は、その内訳もチェックする事がポイントです。
例えば、カンボジアのアクレダ銀行の定期預金を開設する場合には、開設費用1100ドル+最低預金額500ドルの「合計1600ドルが必要」になります。
一方、ラオスのJDB銀行の場合には、トライデントウォレットを経由し銀行口座開設をすることで口座開設費用800ドル、そしてその中に最低預金額の300ドルが含まれていますので実質「合計500ドルが必要」となります。
トータル的に見るとラオスのJDB銀行の方が安いという事になります。
このように「ご自身で用意できる初期費用と口座開設費のバランスを見ながら、銀行選びを検討する事」が2つ目のポイントです。
現地とオンラインのどちらで開設するか
3つ目のポイントは、現地の銀行で開設するか、オンラインで開設するかです。
従来は現地の銀行で開設する方法しかありませんでしたが、近年の銀行システムの発展に伴いオンライン開設も可能になりました。
現地の銀行で開設する場合のデメリットは、上述した口座開設費等に加え、海外への渡航費、宿泊費、口座開設同行サポート費等が必要になるため、必要な経費は高くなる点です。
一方、メリットとしては、口座をその場で即開設できるため、書類の記入ミスによるやりとりが生じず、時間的なロスも少なくなる点です。
オンラインで開設する場合のメリットは、現地への渡航が必要なくなるため、費用面での節約に繋がる点です。
反面、必要書類の確認や各銀行のマニュアルの確認などを自力で行う必要があるというデメリットがあります。
どちらも一長一短ですが、近年はオンラインでの口座開設を検討する人が増加している傾向にあるようです。
銀行システムの発展により、より利便性の高いオンライン開設もできるようになり、海外口座の選択肢は広がっているようですね。
そもそも、海外口座とは何か
ここまで、海外口座の選び方を3つのポイントに絞って紹介してきました。
一方、まだまだ海外口座のことをよく知りたいと思う場合もあるのではないでしょうか。
そういった場合には、下記の記事にて「海外口座とは何か?」ということをまとめています。ぜひ併せてご参考にしていただき、より良い選択に繋げていただければ幸いです。
まとめ
従来は、海外口座といえば香港が圧倒的に人気がありました。理由は単純で、距離的に近いため、費用や時間的な負担が少ないという点に魅力があったためです。香港口座開設ツアーといったツアーも人気になるほどでした。
一方、近年は、選択肢が増え、自分の希望に合った海外口座を開設するという流れになってきています。ぜひ、海外口座を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。